暗号通貨LISK(リスク)は、世界的に高く評価されているブロックチェーンプロジェクトの一つです。市場ランキング2位のイーサリアムがロシア産のスマートコントラクトプラットフォームなら、LISKはアメリカ産のスマートコントラクトプラットフォームという感じです。そのLISKについて初心者にもわかりやすいように仕組みや特徴を説明し、上級者向けに将来性への考察やチャート分析を盛り込んだ内容ですので是非ご覧ください!
目次
LISKとは?
リスク(LISK)とは、スイスに会社を持つLisk Foundationが開発している仮想通貨のプロジェクト名です。2016年に14000BTCを集めたICOとして始まり、現在は国内最大級の取引所であるbitFlyerやcoincheckで取り扱われていて、国内でも有数の人気を誇っています。
LISK(リスク)の基本情報
通貨名(通貨単位):LISK(LSK)
公開日:2016年5月24日
発行上限枚数:上限なし(発行枚数は減少)
時価総額:下記参照
備考:—
国内取り扱い取引所:bitFlyer, coincheck
海外取り扱い取引所:bitbay, Binance, Huobi, Poloniex, HitBTC, etc
公式サイト:https://lisk.io/
公式ツイッター:@LiskHQ
ホワイトペーパー:The Lisk Protocol
ソースコード:https://github.com/LiskHQ
Blockchain explorer:https://explorer.lisk.io/
bitcointalk(フォーラム):https://bitcointalk.org/index.php?topic=1346646
Lisk公式フォーラム:https://forum.lisk.io/
FAQ:https://docs.lisk.io/docs/faq
公式ブログ:https://blog.lisk.io/
LISK(リスク)の概要
リスク(LISK)とは、スマートコントラクトを実装しているブロックチェーンプロジェクトの名称であり、Dappsと呼ばれる分散型アプリケーションをJavaScriptのエンジニアが開発・実装するためのプラットフォームとして機能します。
よくある勘違いですが、まず大切なこととしてLISKは”暗号通貨”ではありません!
LISKはあくまでプラットフォームの名前であり、LISK内で開発された分散型アプリケーションを利用する際に使用される通貨がLSKです。
これはEthereumやRippleやCardanoにも言えることなのでちゃんと理解しておきましょう。
分かりやすく解説するとLISKを日本とするならばLSKが円に該当します。つまり状況としては、日本(LISK)でなにかしらのサービス(Dapps)を利用する際に使用される通貨が円(LSK)であるということです。
仮想通貨LISK(リスク)の特徴・メリット・デメリット
LISKはビットコインと比較して、以下の6つが大きな特徴としてあります。
- スマートコントラクトが実装されている
- スマートコントラクトをJavaScriptで開発出来る
- サイドチェーンでDappsの開発が出来る
- サイドチェーンのおかげで、スマートコントラクトのバグとスケーラビリティ問題への対策がなされている
- マイニングにおいて、DPoS(Delegated Proof of Stake)という承認システムを採用している
- マイニングの仕組みとして、VotingとForgingが存在している
スマートコントラクトが実装されている暗号通貨の代表例には市場2位のイーサリアムがありますが、イーサリアムと比較しつつそれぞれの特徴について解説していきます。
スマートコントラクト
ここまでリスクを説明する中で、スマートコントラクトという言葉が何度も出てきたと思いますが、これはイーサリアムと同じようにリスクの大きな特徴です。
これは、「プログラミングによって書かれた契約」です。実は、この考え方自体はビットコインの誕生よりも昔のことで、1997年にNick Szabo氏が発表した論文で提唱された概念なのです。例えば、お金を貸し借りすること、返すこと、オンラインでお金を払うことなども全て契約ということができます。それらの契約をプログラミングによって自動で執行するのがスマートコントラクトです。
ブロックチェーン上のスマートコントラクトは、契約をプログラムで用いて定義し、何か特定の条件を満たした時に、仮想通貨などのデジタル情報で取引を行う、という仕組みになっています。このコードを仮想通貨特有のブロックチェーンに書き込むことで契約を改ざんすることや契約を無視することを防ぐことができるのがメリットとして挙げられます。
スマートコントラクトの詳しい内容についてはこちらをご覧ください!
JavaScriptで開発が出来る
コードがJavascriptであることもメリットの一つです。例えば、イーサリアムはsolidityという独自の言語を用いなければプログラミングを行うことができないため、誰でも気軽に開発に参加することができません。一方でJavascriptの場合は、既存の開発者が非常に多いことやライブラリやドキュメントが多様であることからも使用言語としては便利な面が多いのではないかと思います。もちろん、浮動小数点を計算する際に面倒である、といったような部分もありますがプロの開発者なら対応できる程度のハードルであると思います。
サイドチェーン
サイドチェーンにスマートコントラクトが書けるということがイーサリアムと比較した時の最大のメリットです。
これは大きくわけて、スマートコントラクトにバグが発生した時に対処が簡単になることと、スケーラビリティ問題の対策になるというメリットがあります。
それぞれ説明していきます。
サイドチェーンを詳しく知りたい人はこの記事をご覧ください!
スマートコントラクトのバグへの対処が簡単になる
イーサリアムで過去に起きたThe DAO事件というものがあったのですが、スマートコントラクト(プログラミング)で致命的なバグが生じてしまい、当時の時価で80億円相当のETHが盗まれるという事件がありました。
その際、ETHが元あった場所に戻るようなハードフォークを行うという対処が取られ、メインチェーンに大きな被害を及ぼすことになりました。
サイドチェーンでスマートコントラクトを書けば、仮にバグが生じてハッキングされたとして、ハードフォークをするとしてもサイドチェーンのみをハードフォークすることで対処可能になるというメリットがあります。
スケーラビリティ問題の対策になる
サイドチェーンを利用することでスケーラビリティ問題が起きる可能性を減少させることが出来ます。スケーラビリティというのは、その仮想通貨を用いた取引の処理能力のようなものです。
イーサリアムはイーサリアム上で発行された全てのトークンのトランザクションがブロックチェーンに記載されているので、今後深刻なスケーラビリティ問題に陥ることが危惧されています。
Liskでは、トークンのトランザクションはサイドチェーンに書き込まれ、メインチェーンにはサイドチェーンのブロックのハッシュ値のみ記載するためイーサリアムに比べてスケーラビリティは非常に高いと考えられます。
DPoS(Delegated Proof of Stake)
マイニングの承認システムは、PoW(Proof of Work)やPoS(Proof of Stake)などがありますが、Liskの承認システムはDPoSと呼ばれるものです。(Liskにおけるマイニングは、フォージング(鋳造)と呼ばれます)
DPoSとは、Delegated Proof of Stakeの略であり、間接民主制のような承認システムです。まず、Liskを持っている人たちの中で投票が行われ、取引の承認者を誰にするのか、ということを決定します。そして、選出された承認者がブロックを生成することができる、という仕組みです。
これによって、Liskは承認速度を10秒程度に抑えることを可能にしています。Liskを持っている人たちがあらかじめ承認者を選ぶことができるようになっているので承認速度を早められるからです。
Voting(ヴォーティング)とForging(フォージング)
Forgingがいわゆるマイニングのことで、新しいブロックを見つけ出すことでその分の報酬を得ることが出来るというものです。
上記のDPoSにあるように投票によってForgingをする人を決定するのですが、その投票こそがVotingになります。Votingをすることで自分が投票した人が得たForgingによる報酬の一部を受け取ることが出来ます。
暗号通貨LISK(リスク)の将来性と問題
LISKの将来的な価値はLISKがどれほどプロジェクトとしての価値や有用性を発揮していくかという部分にかかっています。現在、LISKの今後を考える上で大切になってくるポイントは大きく以下の4つだと思っています。
- イーサリアムやカルダノやネオなどのスマートコントラクト系の競合が多数存在すること
- 開発が予定より遅れていること
- LISKがスケールすることでスマートコントラクトの開発が進む
- アップデートやリブランディング
ここではその将来性や抱えている課題について説明していきます。
イーサリアムやカルダノやネオなどの競合が多数
スマートコントラクト系のプロジェクトは、時価総額が2位のイーサリアムを筆頭に、カルダノ、ネオといった様々なプロジェクトが存在しています。
これらの暗号通貨はどれも、開発力も高く将来性があります。
しかもカルダノに関してはイーサリアムの元CEOでビットシェアーズの開発実績もあるチャールズ・ホスキンソンが手がけているプロジェクトです。
スマートコントラクト市場において、今後LISKがどれほどのシェアを取ることが出来るかが重要なポイントになってきています。
ということは、LISKがこれらの競合に対してどれほど差別化を計り成長していくかです。
開発が少し遅れている
リブランディングなど、当初掲げていた目標よりも開発が遅れてしまっているという問題が既にあります。しかしイーサリアムなども元々予定よりも開発が遅れてしまっていることを考えても、あまり気にすることのほどではないかと思います。
Githubのコミット数も安定してあり、bitFlyerへの上場やマーケティングなども非常に上手であることを考えると、チームとしての力はポジティブなものと考えても良いかと思います。
現在では敷居の高いスマートコントラクト開発の普及が進む
スマートコントラクト市場で圧倒的なシェアを誇っているイーサリアムでは、プログラミング言語 Solidityという独自の言語であるため開発するための参入障壁が高くなってしまっています。
一方で、LISKではJavaScriptで開発することが出来るのでDappsの開発が進みやすくなると考えられます。
現状は、イーサリアムが圧倒的に多くの投資家がいることを考えると開発者としてはイーサリアムでの開発に動きますが、LISKのマーケティング次第では、今後投資家の数は上昇傾向になっていくと考えられ、SDK(ソフトウエア・デベロットメント・キット)によってより開発が簡易になれば一気にDappsの開発が進む可能性も考えられます。
【取引所】仮想通貨LSK(リスク)の購入方法
Liskを取り扱っている取引所は、国内取引所ではbitFlyer, coincheckがあります。
海外取引所ではbitbay, Binance, Huobi, Poloniex, HitBTC, CoinEgg, Bit-Z, Bittrex, YoBit, Upbit, Livecoin, CoolCoin, BitGrail, COSS, Abucoins, Gate.io, LiteBit.eu, Coinroom, Exrates, ChaoEX があります。
この中でおすすめの取引所を以下で紹介していきます。
bitFlyer(ビットフライヤー)
ビットフライヤーは国内最大級の仮想通貨取引所です。ビットコイン取引量・資本金・ユーザー数において日本一の規模を誇っているので、会社としての信頼感はトップクラスになるかと思います。
ビットフライヤーでは2018年1月31日からLiskの取り扱いを始めました。
ビットフライヤーではLiskは販売所としての取り扱いになっていて、手数料は正直高いかと思います。
海外の取引所を使うのが怖い人や、英語が苦手で海外の取引所を使うのに抵抗がある人は、ビットフライヤーで購入するのが良いかと思います。
口座開設や運用方法については以下の作業ブログを参照ください。
coincheck(コインチェック)
コインチェックは日本最大級の取引所の一つで、日本で初めてリスクを取り扱い始めた取引所です。
デメリットとしては、コインチェックは販売所であるため、スプレッド(売値と買値の価格差)が存在し、3%前後の手数料が取られてしまうという点があげられます。また2018年1月に5.2億XEMという世界最大規模のハッキング事件が起きた取引所であるため、不信感をつのらせている人もいます。
しかし圧倒的に使いやすい取引画面であり、スマホアプリもとても使いやすく、初心者でも簡単に取引が出来るという長所があります。
口座開設や運用方法については以下の作業ブログを参照ください。
BINANCE
Binanceは香港にある取引所で、世界最大規模の仮想通貨取引所です。
取引手数料が0.1%と非常に安い上に、BNBという通貨を所有していると取引手数料が0.05%になるというとても安く取引が出来る取引所です。
取扱通貨数も80種類以上あり、最近話題の通貨も多いので是非注目しておきたい取引所です。
口座開設や運用方法については以下の作業ブログを参照ください。
暗号通貨LISK(リスク)のまとめ
LISKの大きな特徴は
- スマートコントラクトを書くことが出来て、サイドチェーンでDappsの開発が出来る
- スマートコントラクトをJavaScriptで書くことが出来る
- DPoSという承認方式を取っている
というものが上げられます。
LISKは国内取引所でも購入出来ますし、世界的に見ても既にある程度市場で流動性も担保され、将来性についてもかなりポジティブに考えていますのでポートフォリオの一つとして考えるに値する暗号通貨だと思います。